【派遣会社必見】<コンサルタント山内氏が解説>派遣スタッフ&内勤社員のテレワーク
渡辺部長
こんにちは。私は、派遣会社の営業部長をやっている渡辺と申します。派遣業界向け経営支援のエキスパートである、コンサルタントの山内さんに色々教えてもらえるってことで、やって来ました!
山内氏
こんにちは。株式会社人材ビジネス経営研究所 代表の山内 栄人です!
私は、請負現場を複数立ち上げ⇒派遣の担当者マネージャー支店長を経験したのち、船井総合研究所に入り、派遣・請負のコンサルタントを8年勤めその後独立。人材ビジネス業界に携わり20年。現在、約140社が参加する高付加価値型アウトソーシング研究会を主催しています。
渡辺部長
今日は、派遣会社のテレワークについて教えてもらえますか?
山内氏
では、解説していきますね~!

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【解説】コロナで派遣会社のテレワークは普及したのか?

渡辺部長
派遣会社のテレワークは、ここ1年で普及したのでしょうか?

山内氏:
派遣会社のテレワークが、コロナ禍において劇的に進んだかといわれると、結論そんなに進まなかったなって言うのが肌感覚です。

もちろん、以前に比べるとテレワークの環境は整ったなぁという印象はありますが、極端に動いたかって言うと、そんなに動いてないなって言うのが、肌感覚になりますね。

【実態】派遣スタッフに遠慮して内勤社員はテレワークできない?

渡辺部長
派遣スタッフは、ほとんど派遣先に行って仕事をしている中で、ちょっと自社の社員だけテレワークするのもどうかなと気兼ねがあったりもして、踏み込めていなかったりもします。ほかの派遣会社はどのようにされてるんでしょうか。

山内氏:
内勤社員って言ってもですね、いわゆる総務・経理等の間接系の仕事の方と、実務そのものコーディネーターであったり、営業であったりっていう風な仕事に分かれるんですけど、間接の部門に関しては、そもそもスタッフともお客さんとも直接対面ってことはほぼないですよね。

非常に厳しいロックダウンに近いような2020年の4月5月6月ぐらい、この頃をひとつのターニングポイントに間接の方を全員在宅勤務に切り替えた、私の顧問先は結構あります。間接の部門に関しては、比較的、体制システムさえ整えば、そんなに難しい問題ではないな、という印象があります。

一方、やはり派遣スタッフが動いている中、管理スタッフがテレワークというのは抵抗があるっていうことなんですが、それは本当に営業担当者からもそういう声は上がってきますので、結構、難航している会社が多いです。だから、うちの会社だけうまくいっていない、ってことは思わなくてもいいのかなと。

以前、私が派遣会社に勤めていた頃は、朝一に派遣先に行ってスタッフに声かけをすることが当たり前だったんですけど、コロナになってからお客さんから「来ないでくれ」みたいなこともありまして、変わってきているケースも多いと思うんですね。

で、コミュニケーションそのものも、直接会うわけではなくて、オンラインでと、そういった状況が続いているのであれば、これはオンラインも可能だということで、切り替えれる会社も当然出てきてるのかな。できている会社は、こういったところからしっかり切り替えてやっておりますね。

テレワーク派遣>派遣先や市場の反応は?

渡辺部長
テレワーク派遣に対しての、派遣先企業や市場の反応を教えてください。

これは見てきた経緯でお話しをすると、派遣先の社員がテレワークをしているのか、していないのかというところで、パカっと分かれるわけなんですけど、

派遣先が既にテレワークをしているよっていう会社は、派遣社員のテレワークも比較的スムーズに行われている可能性がある一方で、派遣先の社員すらテレワークをしていないのに、派遣社員だけテレワークっていうの絶望的にありえないんですよね。

ですので、感覚的には、やはり大手企業であったり、名のある会社が昨年2020年、コロナになってからテレワーク化が進んでって、そんな中で派遣社員のテレワークの受け入れというのもスムーズになったな、という印象があります。テレワーク派遣は、派遣先のテレワークの活用の度合いにかなり依存をすると思います。

だから、派遣会社の努力云々というよりも、派遣先次第という風な感覚がすごく強い印象です。

勿論、いま派遣で、例えば事務所で働いている方を在宅ワークでのテレワーク派遣に切り替えるっていうんじゃなくて、最初から在宅ワークの派遣社員のご提案ということで進んでたら、またこれは話が違ったのかもしれないんですけど。

出社して働いている派遣スタッフをテレワーク化をするということに関しては派遣先の、社員さんのテレワークの実現度、これにかなり依存するな、という印象を持っております。

テレワーク派遣>求職者はどう思ってる?

渡辺部長
テレワーク派遣は、派遣スタッフ側からどのように見られているでしょうか?

山内氏:
一度、在宅ワークでの派遣を経験された方っていうのは、それ以降もテレワーク派遣、在宅派遣をご希望されるケースが多いような感覚を受けております。

なぜかっていうと通勤時間がまずない。これ、すごいことですよね。片道1時間かけたら毎日2時間、仕事の前後に無駄な時間があったんですけど、これがないだけで1時間当たりの価値がすごい変わって来ますよね。

あと、通勤がないことによってですね、例えば着る服もそんなに考えなくていいとかですね、女性の方、メイクとかもそうですね。

さらにはテレワーク派遣の派遣スタッフ側から見ての特徴なんですけど、例えばの話、最低賃金が安い地域に今住んでいたとしても、テレワークで勤務先が東京となればですね、東京の最低賃金、もっと言うと、派遣の話で言うと、労使協定方式の、最低賃金というのが当然あるわけです。

東京の最低賃金になりますという事は、地方で働く場合と時給単価が数百円違ってくる可能性もあるんですね。

場合によっては、時短で働くなんて言うケースもありますし、女性の方で子育てをしながら働くなんてこともしやすくなろうかと思います。私もこの一年半、ほぼ在宅ワークで働いておりますけど、以前のように飛び回る生活にまた戻りたいかと言うと、今の方が良いってやっぱ思っちゃう自分がいますので、それはそういう傾向があるんじゃないかなっていう風に思いますね。

テレワーク派遣をやる上でのポイント

渡辺部長
テレワーク派遣を推し進めていきたい派遣会社が、考えておくべきポイントとか、コツとかそういうものはありますか?

山内氏:
例えば工場のプレス機のオペレーターをやってる方が、自宅にプレス機持って帰って、在宅ワークできるわけがないんで、それはないわけですよね。

一般事務だったり、総務・人事とかそういった仕事で、在宅ワークてことはあり得るのかなっていうところなので、そもそも派遣の領域にもよりますね。

大きく2つに分けて考えなきゃいけないのが、「今、派遣先に実際に出社して働いている派遣スタッフ」を在宅ワークに切り替えていく。そういった領域を新規でどんどん取っていこうという事なのか、

そうではなくて、「最初から、在宅ワークを前提とした人材」を集めて派遣先に提案をして行くのか、これによって考え方が全然違うんですよね。

どちらにしても共通して言えることは、派遣会社そのものが、そういった在宅ワークにかかわるような、例えばチャットツールであったりとか、オンライン上でいろんなことをやりとりをする諸々の、経験値というか、そういったスキルが高くないと、やはりお客さんとの流れもそうだし、スタッフとの流れもどっかで途絶えます。

なので、在宅ワーク派遣を推し進めたいっていう会社はですね、自社の内勤社員のテレワーク化をですね、まずはちゃんとやって、自社での取り組みをちゃんと派遣先に説明できるようにならないと、進めないですね。

この1年間、いろんな会社で相談を受けてやってきましたけど、在宅派遣、テレワーク派遣やりたいんだって言ってる会社で、自社が出来てないとやっぱり形になってないし、ならなかったという経緯があります。

なので、そういったことをどんどんやって行きたいという場合は、まずは自社の内勤社員のテレワーク化を全力で推し進めていただくというのが最短距離なんじゃないかなという風に思っております。

まとめ

間違いなく断言できることは、労働人口はどんどん減っていってるわけなんですよ。生産労働人口ですね。15歳から65歳までの日本人の働き手っていうのは、人口分布に伴って減っていっている状況にあります。

そんな中で、どうやって世の中の求人と求職、この需給バランスを整えていくのかってのが人材派遣、人材紹介も含めてなんですけども、我々がやらなきゃいけないことです。表面上でうまくマッチングできるようなところは我々が入っていかなくても、勝手にマッチングされていきますので、なかなか働けない方、職場が見つからない方と、人手が足りない会社をどうつなぐのかっていう観点が、まさに今日お話に出ていたようなテレワークであったり、在宅勤務は大きな大きなひとつの市場になりえるという風に思っております。

需給を整えていくために、働きたい方、だけど働けない方、こういった方々をどのように繋いでいくのか?そのために、今まで派遣業界が良くやってきた、とりあえず求人を打つ、来た人を派遣するっていう、右から左に流すだけではなくて、

どのように本人たちの希望と、求職求人、両方を整えていくのかということがすごく重要になってきます。これは、本当にもう目の前に来ておりますんで、この辺のことを意識して自社がやれる取り組みは何なのかということを、今からでも考えてっていただいたらいいんじゃないかなと言う風に思います。

じゃあ、今回はこれぐらいで終わろうかと思います。
ありがとうございました。

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人材ビジネス経営コンサルタント 山内 栄人 氏

株式会社人材ビジネス経営研究所 代表取締役
株式会社過去オール善 代表取締役
高付加価値型アウトソーシング研究会 主催
▽全国の派遣会社約140社が正会員として加盟
https://www.jinzai-biz.co.jp/studygroup/studygroup.html

請負現場を複数立ち上げ、派遣の担当者、マネージャー、支店長を経験したうえ船井総合研究所に入り、派遣・請負のコンサルタントを8年勤め、その後独立。派遣業界の地位向上、不本意型の派遣社員を一人でも減らすべく活動中。

現在はYouTubeチャンネルをエイジン名義で毎日更新。派遣の情報も豊富に発信中!
▽『リアルゲームチャンネル(リアルをゲームのように攻略するチャンネル)』
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