VSNが各世代のエンジニアを対象に「会社選びやキャリアの志向に関する意識調査」
アデコグループのグループ会社であり、エンジニア人財サービスを提供する株式会社VSN(東京都港区)は、
令和初めての新社会人となる新人エンジニア(令和新卒エンジニア)
ゆとり世代(1987年から2002年生まれ)
氷河期世代(1970年から1984年生まれ)
バブル世代(1965年から1969年生まれ)
の各世代のエンジニアを対象に「会社選びやキャリアの志向に関する意識調査」を実施した。以下では、その概要とデータをいくつか紹介したい。
目次
令和新卒エンジニアの会社選びの基準とは?
「会社選びで重視した項目」での質問では、令和新卒エンジニアは、他の世代と比較して「企業文化や会社の雰囲気」、「成長できる環境がある」、「教育や研修に力を入れている」の割合が高いのが特徴。さらに令和新卒エンジニアは、「エンジニアとしてのキャリアプラン」に関する質問に対して、「定年まで同じ会社で働きたい」と回答した新卒エンジニアが最も多く、安定志向の傾向が見られた。
上司に求める能力は世代によって違う
上司に求める能力について、令和新卒エンジニアは「対人関係力(コミュニケーション力)」、「柔軟性」、「コーチング」の順に重視しているという結果に。また、バブル世代と氷河期世代は、「リーダーシップ」を選択した人が最も多く、対話型を好む若者とリーダーシップを好むミドルエイジというように、世代により上司に求める能力が異なることが分かった。
【出展】株式会社VSN 意識調査 令和新卒エンジニア、「企業文化や雰囲気」、「成長環境」を他世代よりも重視
https://www.modis-vsn.jp/news/2020/0522 (参照:2020年7月1日)
オンライン研修で求められるコミュニケーション力
同社の執行役員でイノベーション&キャリア開発本部長の前田拓宏氏は、今回の結果について次のようにコメントしている。
「今回の調査は、実施時期が3月末と新型コロナウイルス感染拡大が高まり、新社会人の入社研修がオンラインで実施される等の影響もあり、上司に求める能力として『コミュニケーション力』を挙げる回答が他の世代よりも高い割合で表れていました。
通常の対面コミュニケーションでは、会話だけでなく表情、仕草、ボディランゲージなどを通じて、相手の理解具合や集中力を読み取りますが、オンライン研修ではそれらの情報が得にくいため、集中力を維持し講義内容の理解を深めるために、対面以上のコミュニケーションが必要であると考えます。弊社でも研修中は、個人作業に偏らないように、一方的な講義ではなく受講社員に問いかけを行ったり、半日に1回はグループワークでの議論の場を設定するなど、緊張感をもって受講できる工夫を取り入れています。また、講義外の時間に個別面談を行うことで不明点の確認や不安の解消も同時並行で行っています。通信環境が安定している場合は、常時カメラとマイクをONにし受講中の反応を見ながら、行うことも重要です」。
YouTubeで企業文化や働く社員の雰囲気を共有
また、入社時や転職時に「会社選びで重視した項目」についての質問では、いずれの世代も「給与や処遇」を重視項目に挙げている点は共通していたが、令和新卒エンジニアに関しては、他の世代と比較すると「企業文化や会社の雰囲気」、「成長できる環境がある」、「教育や研修に力を入れている」項目の割合が高いという特徴が見られた。同社では「昨今では、企業紹介をYouTube等の動画でPRする企業も多く、こうした情報から『企業文化』や『働く社員の雰囲気』を確認し、イメージのミスマッチを低減させることにも役立っています。
教育研修の充実や成長機会を求める等、キャリアパスを広げたい意識が高いこともうかがえました」と分析している。
この記事は、株式会社オーピーエヌ発行の「月刊人材ビジネス」2020年6月号の一部記事を抜粋、転載して構成されています。
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