2024年度の障害者雇用に関する変更点
なびー
2024年4月から始まる障害者雇用率の引き上げについて教えてください!
中宮先生
法定雇用率は、おおむね5年ごとに見直しが行われ、2024年から段階的に引き上げることになっています。

こんにちは。社会保険労務士の中宮 伸二郎です。
従業員数が一定規模以上の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。
2024年4月から法定雇用率を段階的に引き上げるとともに、対象となる障害者の範囲も拡大されます。

今回は、2024年度の障害者雇用率について解説します。

※この記事は 2024年2月27日時点の情報を元に解説しています。

法定雇用率の引き上げ

障害者の法定雇用率は、障害者雇用促進法により、労働者総数と障害を持つ労働者の総数の割合を基準として算出されています。法定雇用率は、2023年度の2.3%から段階的に2.7%に引き上げられることが決まっています。

2024年度の場合常時雇用労働者数40人以上の企業では、40人に1人の割合で障害者を雇用しなければなりません。

週所定30時間未満精神障害者の算定特例

障害者数のカウント方法は、週所定労働時間と障害の種類・程度により次のとおりとされています。

2024年度から新たに重度身体・知的障害者および精神障害者について、週所定労働時間10時間以上20時間未満の区分が設けられました。従来、カウントに含まれなかったところ、1人を0.5カウントとすることができるようになりました。

※本来のカウントは0.5ですが、特例措置により当分の間、1カウントになります。
この特例措置は、2023年度末で終了の予定でしたが、当分の間延長されることになりました。

対象となる障害者

身体障害者

障害者手帳を交付されている1級から7級の障害者が対象となります。
身体障害者のうち、1級・2級または3級に該当する障害が2つ以上ある者が重度障害者です。

知的障害者

療育手帳を交付されている障害者が対象となります。
療育手帳は、都道府県により名称が異なります(愛の手帳、愛護手帳など)

知的障害者のうち、重度の者が重度障害者です。程度の表記は、都道府県ごとに異なり、東京都では、1度・2度が重度に区分されます。アルファベットで程度を表現している場合、「A」が含まれる表記(A2,A重 など)が重度障害に該当します。
なお、市町村により表記の仕方や基準に多少違いがあります。

精神障害者

精神障害は重度障害者の扱いがありません。
精神障害者保健福祉手帳を交付されている障害者が対象となります。

法定雇用率を達成できない場合

障害者雇用率を達成していない場合、不足する人数に応じて障害者雇用納付金を支払わなければなりません

障害者雇用納付金は、不足1名につき月額5万円です。
常時雇用労働者数40人の企業で、4月から始まる1年間に障害者を一人も雇用しなかった場合、
5万円×12か月=60万円 の障害者雇用納付金を支払うことになります。
ただし、障害者雇用納付金は、常時雇用労働者数100人以下の企業は対象外とされています。

また、障害者雇用納付金を支払うだけではなく、ハローワークから雇用率達成のための指導を受けることになり、一定期間で改善が見られない場合は、企業名が公表されることがあります。

2024年度の障害者雇用率の引き上げだけではなく、
今後の引き上げも見据えて、より積極的に障害者雇用に取り組む必要があります。


ユアサイド中宮

解説者

社会保険労務士法人 ユアサイド
代表社員

社会保険労務士 中宮 伸二郎

立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。8名の社会保険労務士を擁する事務所の代表として様々な業種の労務問題にかかわる。有期雇用、派遣社員に関する実務に詳しく、2007年より派遣元責任者講習の講師を務める。

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