2024年度一般賃金に関する通達

こんにちは。社会保険労務士の中宮 伸二郎です。

2023829日に2024年度に適用される労使協定方式の一般賃金が公表されました。
一般賃金は、労使協定方式で派遣社員の賃金を決める際の基準となるものです。

今回は、2024年度の一般賃金について解説します。

なびー
2024年度一般賃金が公表されましたが、今回も一般賃金が上がっていますね。これは、毎年値上げするものなのですか?
中宮先生
統計に基づいて算出しているだけで、意図的に引き上げているものではありません。近年の最低賃金引上げや人手不足を背景とした賃金引き上げが反映された結果です。

※この記事は 2023年9月25日時点の情報を元に解説しています。

2024年度の概要

賃金構造基本統計調査における基準値0年の一般賃金平均額は、前年度比+11円となり、過半数の職種で一般賃金が引き上げられます。また、職業安定業務統計における基準値0年の一般賃金平均額は、前年度比+22円となり、約9割の職種で一般賃金が引き上げられます。

◎ 賞与指数:変更なし 2%
※一般賃金に含まれているため、労使協定作成時に特段考慮する必要はありません

◎ 能力経験調整指数:変更あり

◎ 一般通勤手当:変更あり 72円(2023年71円)
※通勤手当を時給に含める場合の加算額

◎ 前払退職金の割合 :変更なし 5%
◎ 退職金制度に関する統計:「中小企業の賃金・退職金事情(東京都)」のみ改定

退職金制度に関する統計

自己都合(東京都)

会社都合(東京都)

計算方法

「中小企業の賃金退職金事情(東京都)」のモデル退職金を比較対象とする場合は、
モデル退職金に同統計の退職手当制度がある企業の割合を乗じて一般退職金を算出します。

「中小企業の賃金・退職金事情(東京都)」モデル退職金の大学卒の支給月数に同統計の退職手当制度がある企業の割合(71.5%)を乗じて算出しました。

中小企業の賃金・退職金事情(東京都)の改定

比較対象となる一般退職金として、「中小企業の賃金・退職金事情(東京都)」を用いている場合、2024年度から退職金の引き上げが必要になります。「中小企業の賃金・退職金事情(東京都)」は、2年に1回実施されるため、2年に1回退職金を見直さなければなりません。2年前の改定では、退職手当制度がある企業の割合が低下したことから、一般退職金が引き下げられましたが、今回は、その割合が増加したことにより、引き上げられます。

労使協定の別表を改定するだけではなく、退職金規程の変更も必要になることをお忘れなく。

2023年10月 最低賃金引上げに伴う労使協定見直し

次年度の労使協定締結に向けて動き出すことも大事ですが、10月の最低賃金引き上げに伴う現行の労使協定の再締結が必要な場合があります。

現行の一般賃金が最低賃金を下回った場合、
一般賃金基準値0年を最低賃金に引き上げて、再計算しなければなりません。

詳しくは、2021年8月に掲載した記事をご覧ください。


ユアサイド中宮

解説者

社会保険労務士法人 ユアサイド
代表社員

社会保険労務士 中宮 伸二郎

立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。8名の社会保険労務士を擁する事務所の代表として様々な業種の労務問題にかかわる。有期雇用、派遣社員に関する実務に詳しく、2007年より派遣元責任者講習の講師を務める。

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