「派遣事業報告書」の作成解説⑤ -第7・8面-

派遣会社の皆様へ

厚生労働省指定派遣元責任者講習講師、法務と実務に強い派遣特化型の
社会保険労務士、みなとみらい人事コンサルティング代表の泉文美(いずみ あやみ)と申します。

今回もよろしくお願いいたします。

今回は「派遣事業報告書」第7・8面の作成方法について解説します。

※この記事は 2026年4月21日時点の情報を元に解説しています。

今回も前回の第6面に引き続き、「派遣事業報告書」第7・8面の作成方法について解説します。

それでは、早速「派遣事業報告書」第7面を見てみましょう。

第7面以降は、提出する年の6月1日現在の状況を記載します。
これは決算年度とは関係なく、すべての派遣会社に共通です。

たとえば、派遣事業報告書を提出するのが2026年であれば、
記入する内容は2026年6月1日現在の情報を入れる、と覚えておきましょう!

① 派遣労働者(日雇派遣労働者を除く)の実人数

ここには、6月1日時点で在籍している人数を記入します。
6月1日がちょうど入退社日の人も、その日に在籍している扱いになりますので、人数に含めます。

この人数は、第2面の「(1)派遣労働者数等雇用実績(実人数)(報告対象期間末日現在)」とは異なるので注意しましょう。

報告期間については、第1面のコラムを参照してくださいね。

たとえば、9月末締め決算の会社であれば、
2026年6月提出の報告書の報告対象期間は、2024年10月1日から2025年9月30日までです。
この場合、

  • 第2面の労働者数は、2025年9月30日時点の在籍人数
  • 第7面の労働者数は、2026年6月1日時点の在籍人数

となります。

数える基準日が全然違いますから、2025年9月30日~2026年6月1日の間全く入退社が無かった場合を除き、第2面と第7面の人数は一致しません。

たとえば、

  • 2024年10月1日時点で40人いた
  • → 2025年9月30日に1人退職した(-1人=39人)
  • → 2026年4月1日に2人入社した(+2人=41人)
  • → 2026年5月1日に1人入社した(+1人=42人)
  • → それ以外に2026年6月1日まで入退社はなかった

という場合、第2面は39人、第7面の合計人数は42人になります。

さらにこの42人を、無期雇用と有期雇用に分けて記入します。
有期から無期に切り替わった人がいる場合も、6月1日時点で有期か無期かで判断します。

また、ここではさらに雇用期間が通算1年以上か、1年未満かでも分けて記入します。

たとえば、無期雇用で採用された人でも、2026年4月1日入社であれば、
6月1日時点ではまだ2か月ですから「1年未満」です。

一方、有期雇用で半年ごとの更新契約だったとしても、
2024年4月1日から継続して雇用されているのであれば、通算雇用期間は2年ですから「1年以上」となります。

特に有期雇用の場合はその人の更新される雇用契約期間(例:半年ごと)ではなく、6月1日時点での通算雇用期間で判断する点に注意しましょう。

見本の数字で見ると、6月1日時点で合計42人。
無期雇用:27人、有期雇用:15人。
さらにその内訳が

  • 無期雇用で通算1年以上:25人
  • 無期雇用で1年未満:2人
  • 有期雇用で通算1年以上:6人
  • 有期雇用で1年未満:9人

であれば、それぞれ該当する欄に記入します。

さらに、労使協定対象者の人数も記入します。
ほとんどの派遣会社は労使協定方式のみを採用していると思われますので、
その場合は同じ人数を転記することになるでしょう。

数え方は上記説明通りになるでしょうが、
報告書の書き方は「1年以上」「1年未満」に分け、そのうえで「無期」「有期」を書く形になっています。

② 業務別派遣労働者(日雇派遣労働者を除く)の実人数(①の内数)

ここでは「1年以上」「1年未満」の区別はなく、無期か有期かで分けて職種ごとに記載します。

派遣報告書の第3・4面に似ていますが、
第3・4面は報告対象期間中の実績を集計したものであるのに対し、
第7・8面は6月1日時点の状況を記載するものです。

そのため、第3・4面に数字を入れた職種が第7・8面で、必ずしも一致するとは限りません。

さらに、労使協定対象者の人数を記入しますが、
ほとんどの派遣会社は労使協定のみでしょうから、同じ人数を記入する形になるでしょう。

最後に、無期、有期、そして全体の各合計人数が、①の人数と一致しているかを確認しましょう。
異なる場合はどこかで数え間違いをしています。

③ 特定製造業務従事者の実人数(①の内数)

「特定製造業務」とは、簡単に言えば製造業務への派遣すべてが対象です。
よって、第7・8面の職種欄のうち、「○○製造」とある職種に数字が入った会社は、
ここにも無期と有期、そして合計の派遣労働者数を記入することになります。
労使協定対象者についてはこれまでと同様です。

よって、各合計数は必ず①≧③となるはずです。

また、見本の吹き出しにもあるように、特定製造業務に派遣している派遣会社は、派遣元責任者とは別に、特定製造業務に従事する派遣労働者の人数に応じて、「製造業務専門派遣元責任者」も一定数選任し、労働局に届け出る必要があります。

派遣元責任者が「製造業務専門派遣元責任者」を兼任しても構いませんが、その場合も労働局への届け出が必要です。
派遣元責任者、製造業務専門派遣元責任者の詳細については、また別の機会に解説します。

④ 期間制限の対象外となる労働者派遣に係る派遣労働者(日雇派遣労働者を除く)の実人数(①の内数)

期間制限の対象外となる派遣労働者が、6月1日時点で在籍している場合は無期と有期に分けてそれぞれの人数を記入します。

特に高齢者は、6月1日時点で60歳に達しているかどうかで計上するかを判断します。
誕生日が近い方については、数え間違いのないよう注意しましょう。

また、有期プロジェクト業務や日数限定業務については、一般的な派遣会社さんは派遣していないことが多いですが、該当する場合は記入しましょう。
有期プロジェクト、日数限定業務の詳細については、また別の機会に解説します。

この欄に該当者がいない場合でも、空欄のままにせず、計の箇所すべてに「0」を記入しましょう。
空欄のままだと、記入漏れかどうかが判断できず、労働局から問い合わせが来ることがあります。

ここも、各合計数は必ず①≧④となるはずです。矛盾が無いように注意しましょう。

これで、第7・8面は完成です!

次回はいよいよ、最後の頁「派遣事業報告書」第9面に進みます。
派遣事業報告書はたくさん記入する箇所がありますので、6月の提出に向けて引き続き少しずつ丁寧に解説していきますのでお楽しみに!

さいごに

当事務所では派遣事業報告書に関する相談もいつでも受け付けています。

何かありましたら、まずは下記、当事務所HPのお問い合わせフォームから質問してくださいね。初回相談は無料です。


解説者

みなとみらい人事コンサルティング 代表
泉 文美(いずみ あやみ)

横浜生まれ。2005年東京大学卒業。
ハローワーク、労働基準監督署、労働局、厚生労働省勤務経験有。
2012年社会保険労務士事務所開業。
開業当初より厚生労働省指定「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」講師を務める。派遣・紹介関係の顧問先多数。講演・著述の依頼もこなす。
法務と実務両面に強い、派遣・紹介特化型社労士として、役所での勤務経験も活かし、「役所対応に強い社労士」として定評がある。

https://mmjinji.com/