こんにちは、社会保険労務士の中宮 伸二郎です。
2025年4月1日から職業紹介事業者は、紹介手数料率の実績の公表と違約金規約の明示を行わなければなりません。
今回は、2025年4月1日に施行される職業安定法の奨励と指針の改正について解説します。
※この記事は 2024年12月3日時点の情報を元に解説しています。
目次
紹介手数料率の実績公表
職業紹介事業者は、常用就職の実績が多い上位5職種の紹介手数料率を公表しなければなりません。
常用就職とは、4ヶ月以上の有期または無期で雇用されることを指します。
公表制度は、2024年度の実績から適用されます。2025年4月に職業紹介事業報告書を提出したら、速やかに「人材サービス総合サイト」に掲載することとされています。
手数料率は、常用就職の実績がある職種ごとに以下の方法で算出します。
算出した数字は小数点第2位で四捨五入してください。
※手数料を定額としている場合は、就職1件当たりの平均手数料額とすることが認められています。
紹介手数料率の実績公表の例外
常用就職の実績が10件以下の職種は、公表の対象外です。
公表対象の例1
公表対象の例2
違約金の明示
求人者に対する違約金もしくは違約金に類する金銭等を設けている場合は、その内容を明示しなければなりません。
違約金もしくは違約金に類する金銭とは、本人が採用辞退後に別ルートで採用などの際に違約金を適用する場合や、利用契約の更新に関するルール等が該当します。
明示すべき事項は「違約金等の金額」「違約金等が発生する条件および職業紹介契約の解除方法」です。
違約金等の具体的な金額があらかじめ定まっていない場合、算定方法等を示すことにより、求人者が想定していない請求を受けることがないよう分かりやすく明示することとされています。
明示の方法は、分かりやすく明瞭かつ正確に記載した書面または電子メール等により、あらかじめ求人者に対し誤解が生じないよう行うこととされています。口頭による説明、ホームページの該当箇所を示すだけ等の求人者が同一文面を再読できない可能性のある方法は認められません。
なお、明示すべき事項が、明瞭かつ正確に有料職業紹介契約書に記載されていて、求人の申し込みの都度、契約を締結するのであれば。契約書が明示書面になります。
解説者
社会保険労務士法人 ユアサイド
代表社員
社会保険労務士 中宮 伸二郎
立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。8名の社会保険労務士を擁する事務所の代表として様々な業種の労務問題にかかわる。有期雇用、派遣社員に関する実務に詳しく、2007年より派遣元責任者講習の講師を務める。