
派遣会社の皆様へ
厚生労働省指定派遣元責任者講習講師、法務と実務に強い派遣特化型の
社会保険労務士、みなとみらい人事コンサルティング代表の泉文美(いずみ あやみ)と申します。
今回もよろしくお願いいたします。
今回は「派遣事業報告書」第2面の作成方法について解説します。
※この記事は 2026年1月20日時点の情報を元に解説しています。
それでは、早速「派遣事業報告書」第2面を見てみましょう。
目次
(1)派遣労働者数等雇用実績(実人数)

ここは、欄外にあるとおり 「報告対象期間末日現在」 の人数を記入します。
第1面に記入した報告対象期間の末日時点での派遣労働者数を、それぞれ記載するということです。
たとえば第1面で報告対象期間を
-
2024年10月1日 ~ 2025年9月30日
と記入した場合は、2025年9月30日時点での人数を記入しましょう。
なお、退職日が9月30日の場合、その日はまだ在籍している扱いになるため、人数に含めます。
※この後の説明も、この報告対象期間を例として進めていきますね。
⑤ 日雇派遣労働者欄の注意点
⑤日雇派遣労働者欄については、いないときは無記入ではなく「0」を記入するようにしましょう。
無記入だと記入漏れなのか0なのかわからないので労働局から問い合わせが来ることがあります。
⑥ 登録者欄の注意点
⑥「登録者」については、ケースによって対応が変わります。
-
登録制度はあるが、今回はたまたま登録者がいなかった
→ 「0」 を記入 -
そもそも登録制度がない
→ 無記入
このように、該当欄に人数が入らない場合でも、
「0を書くべき場合」と「無記入にすべき場合」があります。
記入ルールを間違えないよう注意しましょう。
(2)労働者派遣事業の売上高

ここには、報告対象期間中の「派遣に関する売上高の総額」を、円単位で記入します。
報告期間が会社の決算期間ですから、該当年度の決算の内容に従って数字を出しましょう。
なお、報告対象期間中に派遣の売上がまったくなかった場合でも、無記入ではなく「0円」と記入してください。
(3)請負事業の売上高

ここには、報告対象期間中の「請負事業に関する売上高の総額」を、円単位で記入します。
報告対象期間は会社の決算期間にあたりますので、該当年度の決算の内容に従って数字を出しましょう。
請負事業「有」の場合
第1面の11で「請負事業:有」を選んだ会社は、基本的に請負の売上高を記入します。
ただし、売上金の回収時期などの関係で、
請負事業自体は行っているものの、報告対象期間中に請負の売上がまったく発生していなかった
という場合は、「0円」と記入します。
請負事業「無」の場合
一方、第1面の11で「請負事業:無」を選んだ会社は、そもそも請負事業を行っていないため、
この欄は 無記入 になります。
(4)海外派遣労働者数(実人数)

ここには、報告対象期間中に海外派遣された労働者数の総数(実人数)を記入します。
報告対象期間は1年ですから、たとえば
-
2024年10月1日~2025年9月30日
であれば、この期間の間に海外派遣された人数を数えます。
(1)との違いに注意!
(1)派遣労働者数等雇用実績(実人数)とは異なるので注意しましょう。
(1)は「報告対象期間末日現在」の人数でしたが、
(4)は 報告対象期間中に海外派遣された人数の合計 を書きます。
たとえば、報告対象期間最後の日(9月30日)時点では海外派遣者が0人になっていたとしても、
(例)
- 2024年11月~2025年3月:1名海外派遣
- 2025年4月~2025年8月:1名海外派遣
という実績があれば、合計 2人 と記入します。
海外派遣がいない場合
報告期間中に海外派遣者がいなければもちろん「0」を書きます。
この欄も、日雇派遣と同じように無記入だと、
「記入漏れなのか、0なのか分からない」ため、労働局から問い合わせが入ることがあります。
該当者がいない場合は、忘れず 「0」 と記入しましょう。
(5)派遣先に関する事項

①派遣先事業所数(実数)
②労働者派遣契約の期間別件数(延べ件数)
ここも(4)と同じく、報告対象期間中の総数を記入します。
報告対象期間最後の日(9月30日)の時点ではすでに派遣していない派遣先があったとしても、
2024年10月1日~2025年9月30日までの間に派遣したのであれば計上します。
また「①派遣先事業所数」は「事業所」というところに注意しましょう。
① 派遣先事業所数(実数)
ここで注意したいのは、項目名に「派遣先事業所数」とある点です。
たとえば、ある派遣先企業に本社と支社があり、両方に派遣している場合は次のようになります。
-
本社・支社それぞれが別の派遣先事業所として扱われている
→ 本社と支社をそれぞれ1つずつ数える(合計2) -
本社一括で派遣先事業所として処理されている
→ 1つとして数える
この「事業所として分けるかどうか」は派遣元ではなく、派遣先側の設定によるものです。
派遣契約書を確認するか、しかるべき担当者へ確認しましょう。
② 労働者派遣契約の期間別件数(延べ件数)
②も同じく、報告対象期間中の件数(延べ件数)を集計して記入します。
報告対象期間末日時点では契約が終了していても、期間中に契約があれば対象になります。
③ 主な派遣先事業主(取引額上位5社)

③主な派遣先事業主(取引額上位5社)は報告対象期間中の取引額上位5社を記入します。
ここは「事業主」とある点に注意しましょう。
「①派遣先事業所数」とは異なり、③は派遣先の会社単位で計上します。
たとえば、派遣先に本社と支社があり、両方に派遣している場合でも、
本社分・支社分を分けて考えるのではなく、派遣先企業全体の売上として合算し、順位を決めることになります。
(6)教育訓練(キャリアアップに資するものを除く)の実績
① 労働安全衛生法第59条に基づく安全衛生教育

「①労働安全衛生法第59条の規定に基づく安全衛生教育」は、派遣許可(あるいは更新)申請書に記載されているので、その通りに毎年度実施し、記入します。
派遣実績がない場合を除き、ここが無記入だと
労働局から確認の連絡が入ることがあります。
安全衛生教育は全派遣労働者を対象として、必ず毎年実施しましょう。
② その他の教育訓練

②「その他の教育訓練」については、特に実施していなければ無記入で構いません。
(7)紹介予定派遣に関する事項

ここも(4)(5)と同じく、報告対象期間中の総数を記入します。
(1)だけが「報告対象期間末日現在」で、それ以外は「報告対象期間中の合計」と覚えておくと分かりやすいですね。
第1面9で「職業紹介事業:有」の会社
第1面9で職業紹介事業を「有」としている会社は、紹介予定派遣ができる会社です。
紹介予定派遣の実績がなかった場合でも、無記入にはせず、「0」と記入しましょう。
第1面9で「職業紹介事業:無」の会社
一方、第1面9で職業紹介事業を「無」としている会社は、そもそも紹介予定派遣を行うことができません。
そのため、この欄は 無記入 になります。
注意:許可なしで紹介予定派遣を行うのは違反
職業紹介事業の許可番号を持っていないにもかかわらず紹介予定派遣を行うと、
職業安定法違反となり、罰則の対象になります。
紹介予定派遣については、また別の機会に詳しく解説していきますね。
(8)雇用安定措置(法第30条)の実績

ここも、(4)〜(7)と同様に 報告対象期間中の総数を記入します。
雇用安定措置については、また別の機会に詳しく解説しますが、簡単に言うと、
有期雇用の派遣労働者で、同一派遣先に「どれくらい派遣見込みがあるか」に応じて人数を計上し、さらに
- 雇用安定措置を 講じた人数
- 雇用安定措置を 講じなかった人数
を、それぞれ記入する項目です。
「3年見込み」に人数が入った場合の注意点
ここで注意したいのが、「3年見込み」に人数が入った場合です。
この場合は、必ず何らかの雇用安定措置を講じなければならないため、
「講じなかった人数」に数字が入ることは基本的にないはずです。
対象者がいない場合
対象者がいない場合は、ここも無記入ではなく、「0」を記入してください。
無記入にすると記入漏れと見なされることがあるため、忘れずに対応しましょう。
無記入 or 0 を会社の状況で選ぶ項目
次の項目は、会社によってそもそも制度や事業自体を行っているかどうかで異なります。
- 請負売上
- 登録者
- 紹介予定派遣
そのため、
- そもそもやっていない(やれない) → 無記入
- やれるが、たまたま実績がない → 0
のどちらかを選びます。
会社によって、実施している/実施していない があるので、
「無記入でよい項目」と「必ず0を書く項目」がある、ということです。
ここを間違えると、記入漏れと判断されて
労働局から確認が入ることもあるため注意しましょう。
実績がなくても必ず「0」を書く項目
一方で、次の項目は すべての派遣会社に該当する可能性がある項目です。
そのため無記入にすると「記入漏れ」と判断されやすく、実績がない場合でも必ず0を記入します。
- 派遣売上
- 日雇派遣
- 海外派遣
- 雇用安定措置
少しややこしいですが、ここはミスが出やすいポイントなので、しっかり注意して記入しましょう。
これで派遣報告書第2面は完成です!
さいごに
次回は「派遣事業報告書」第3面に進み、報告書の各項目の作成方法について解説していきますよ~!派遣事業報告書はたくさん記入する箇所がありますので、6月の提出に向けて引き続き少しずつ丁寧に解説していきますのでお楽しみに!
当事務所では派遣事業報告書に関する相談もいつでも受け付けています。
何かありましたら、まずは下記、当事務所HPのお問い合わせフォームから質問してくださいね。初回相談は無料です。

解説者
みなとみらい人事コンサルティング 代表
泉 文美(いずみ あやみ)
横浜生まれ。2005年東京大学卒業。
ハローワーク、労働基準監督署、労働局、厚生労働省勤務経験有。
2012年社会保険労務士事務所開業。
開業当初より厚生労働省指定「派遣元・派遣先・職業紹介責任者講習」講師を務める。派遣・紹介関係の顧問先多数。講演・著述の依頼もこなす。
法務と実務両面に強い、派遣・紹介特化型社労士として、役所での勤務経験も活かし、「役所対応に強い社労士」として定評がある。
「派遣事業報告書」の作成解説① -第1面-
「派遣事業報告書」の作成解説③ -第3~5面-







