昨今、ChatGPTを代表とする対話型AIチャットサービスが話題です。
文章で質問した内容をAIが理解し、違和感のない文章で返答することができます。さまざまな分野への応用が期待できるAI技術として注目が集まっています。
目次
ChatGPTって何?
ユーザーが入力した質問文に対して、自然な文章で回答してくれる、革新的なサービスです。
アメリカの非営利団体「OpneAI」によって開発された先進的なAIであり、高度な自然言語処理(NLP)能力を持っています。
検索エンジンで調べものをしていた時は、検索結果に表示された各ホームページを読み込んで、知りたい答えを探していました。
対して、対話型AIチャットの場合。
知りたい答えに対して、少ないプロセスでたどり着くことができる場合があります。
対話型AIチャットサービスの特徴を知る
検索エンジンとの決定的な違いとして、対話型AIチャットサービスは前の会話を覚えているということが挙げられます。
たとえば「関西弁で返答して」というルールを最初に敷くと、そこからの返答はずっと関西弁になってしまいます。
新しい質問をするときはスレッドを新しくする。
前の質問が新しい出力結果に影響を与えないよう、このルールは守って使いましょう。
また、出力される結果はあくまで機械学習によって作られたものなので、専門性の高い質問(例えば、法律に関する質問など)に対して、正確な応答ができる保証がされたものではありません。
あなたの入力した質問もまた、機械学習に使われることを考えると、個人情報や機密に関わる情報(個人名・顧客情報など)を入力することも危険かもしれません。
正しい出力結果を得るためには、対話型AIチャットサービスと付き合う際にその特徴は把握しておかねばなりません。現時点の開発状況では回答の正確性に欠けるため、時短に活用する意識で使うのが付き合うコツです。
「東京から北海道へ行くルート」を質問してみた場合
ChatGPTに質問してみた出力結果
飛行機・電車・自動車で北海道まで行く3ルートが出力されました。
3ルートの選別から、詳細まで記載されているので、この出力結果だけで知りたいことはだいたい足りるはずです。
Googleキーワード検索による出力結果
旅行ガイドらしきサイトや、フェリーの運営をしていそうな名称のサイトなどが出力されました。
タイトルやスニペット(検索結果下部に書かれているページの概要文)から予想できる内容を吹き出しに書いています。
ルートの選定はこれらの予想から、自身の理想に近そうなページを探して読みに行くはずです。
企業が運営しているサイトなら、ひいきにしている交通手段をおすすめしてきそうなので、筆者なら個人が書いてそうなサイトを選びますね。
情報の確度はどのくらいなのか
ChatGPTを代表とする対話型AIチャットサービスが、
質問しだいで、素早く回答へたどりつくものであるということはわかりました。
しかし、そもそも正しい回答を書いてくれているのでしょうか?
実は今回の検証に利用したChatGPT(GPT-3.5)は、2021年9月までの情報をもとにしか回答を出力できません。そのため、それ以降に画期的な移動方法が登場していた場合、そのルートが出力結果に現れることはありません。
「東京から北海道へ行くルート」の出力結果に間違いがないか検証したところ、
電車の項で間違いを発見しました。
『東京駅から「はやぶさ」または「はやて」に乗り、新青森駅で下車後』とありますが、2023年8月現在「はやて」は東京を通っておらず、盛岡-新函館北斗までのみ運行しているようです。
ただし、これはキーワード検索の方が優れているということではありません。
情報というのは日々鮮度が落ちていくものなので、複数の情報源を当たり、情報の確度をあげていくことは、どのような検索手段を用いたとしても必要です。
できること、得意なこと、活用されてる分野
対話型AIチャットサービスでは質問に返答させる以外にも、様々な活用方法があります。
こちらで紹介するのはできることの一部。柔軟な発想で新しい使い方を発見してください。
文章の作成依頼
文章の作成も対話型AIチャットサービスの得意とする分野です。
これを悪用して、レポートを書かせる学生が問題になっているようです。
しりとり
一見にしりとりは絶対勝てない分野に思われますが、
ChatGPTは姑息にもワザと負けようとするので、数回のやりとりで終わらせられてしまいます(笑)
文章の翻訳
翻訳作業は対話型AIチャットサービスが得意とする分野です。
ただし、本当に正しい翻訳がされているかの保証はされていないので、翻訳先言語を理解していない状態で使うのは危険ですね。
文章の改変
改変、要約などのテキスト作成も可能です。
例えば誰か他人が書いた文章を入力し、文章の改変を依頼したとする。
通常、人の書いた文章をそのままコピー&ペーストをするのは著作権違反なのですが、文章の含む意味を変えずに文章の改変が行われるので、引用・転載とは違った形で文章を利用することができます。
この使い方が違法なのかどうかは知りませんが。
プログラミング
意図・言語を指定してあげればプログラミングの出力すら可能です。
また、プログラミングの記述ミス、無駄な部分の短縮、バグなどの発見をさせることもできますよ。
ただし、何度も記述しますが、そもそも意図した通りに動く保証はありませんし、
例えば、なんの基礎知識がない人が対話型AIチャットサービスを利用して、プログラマーの真似事ができるようになるわけではありません。
アイディア出し
たとえば、「○○な物語のタイトルを10個考えて」といったように、
バリエーション豊かなアイディアを羅列させることができます。
関連しそうな単語の組み合わせを試してくれていそうなので、使ってみると気付きがあってかなり助かります。
単純作業の肩代わり
「羅列するテキストの頭に『・』をつけて」といった要求をすると、その通りに作業してくれます。
アイディア次第で、様々な単純作業をさせることができるでしょう。
まとめ
対話型AIチャットサービスはその応答の自然さから、
すでにチャットボットと組み合わせた自動応答サポートなどの分野で活用され始めています。
今後、様々な分野への活用や研究がされていくでしょう。
まだ触ったことがない人は今のうちに触れてみるのも良いのではないでしょうか。