【18歳】成人年齢引き下げと派遣業務への影響

こんにちは。社会保険労務士の中宮 伸二郎です。

2022年4月から、成人となる年齢が18歳に引き下げられました。これに伴い、労働基準法・労働者派遣法が2点変更されます。

※この記事は 2022年4月28日時点の情報を元に解説しています。

労働基準法との関係

満18歳に満たない者(年少者)は、労働基準法で法定労働時間外や深夜労働などをさせてならないとしています。これらの取扱いに変更はありません。

労働基準法における年少者の年齢と、未成年として扱われる年齢の終了時期が一致し、わかりやすくなりました。

成年として扱われる年齢が引き下がったことにより、親の同意を得なくても、18歳以上の方が様々な契約を行えるようになります。
これまで20歳未満の方を雇用する際、同意書の提出を求める派遣会社がありました。これは、労働基準法 第58条に対応したものと思われます。(同意書の提出は義務ではありません)

引用:未成年者の労働契約(第58条)

親権者または後見人が未成年者に代わって労働契約を締結することは禁止されています。したがって、未成年者の労働契約は、未成年者が、親権者又は後見人の同意を得て、自ら締結することになります。 また、未成年者が締結した労働契約が、当該未成年者に不利であると認められる場合には、親権者、後見人または所轄労働基準監督署長は、当該労働契約を将来に向かって解除することができることとされています。

https://jsite.mhlw.go.jp/wakayama-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/hourei_seido/jyouken02.html

厚生労働省 和歌山労働局(参照 2022-04-28)

同意書を提出してもらう意図は、事前に親権者に労働契約を確認してもらい、トラブルを避けるためでした。改正後は第58条が適用されないため、同意書は必要なくなります。

例えば、18歳以上であれば高校生でも成年という扱いになります。ただし、法律上問題がないとはいえ、在学中の学校の校則などを確認する必要があります。

労働者派遣法との関係

21歳から、派遣元責任者に選任できるようになります。
選任要件の1つに「成年に達した後、3年以上の雇用管理の経験を有する者」があります。成年年齢の引き下げにより、雇用管理を3年経験すれば、最年少で21歳で派遣元選任者に選任することができます。

雇用管理経験とは、以下の経験を指します。

労働基準法の年少者の終了と成年の年齢が一致したことにより、スッキリしましたね。


ユアサイド中宮

解説者

社会保険労務士法人 ユアサイド
代表社員

社会保険労務士 中宮 伸二郎

立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。8名の社会保険労務士を擁する事務所の代表として様々な業種の労務問題にかかわる。有期雇用、派遣社員に関する実務に詳しく、2007年より派遣元責任者講習の講師を務める。

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